
属人性の排除とは,この絵のように誰でも同じように
プロジェクトのメンバーとして振る舞うことが要求される。 |
属人性の排除という前提で成り立っている従来型のプロジェクト管理技法では,プログラマを,単に仕様書をその言語に翻訳する「コーダー」だという考え方をする事が多いです。
一般的にビジネスシステムの開発においてはプログラマの地位はあまり高いものとはいえません。
この考え方は,基本的に属人性がないからこそ分業体制で開発をすることが可能だという考え方で成り立っています。プロジェクトマネージャは,この規模のプログラムは何人月ということを積算し,プログラマを調達します。属人性排除の原則のもとではプログラマはリソースなのです。
こういったことでマネージメントするプロジェクトマネージャは腕が良いなどと言われていました。しかし,最近のシステム開発ではこれが様々な点で実体に見合わなくなっています。
仕様が堅く確定しているプロジェクトでは,これは全く正しいやりかたです。ちょっと経験のあるプロジェクトマネージャならこのやり方で,ほぼ先(結果)が読めます。
しかし,現実に大部分のビジネスシステム開発では,こういった方法を実践するうえで必須条件であった詳細な仕様書など存在しなくなったということ。さらに言えば,要件自体がかなり柔らかい,つまり仕様変更は日常茶飯事であるということです。
プログラム開発を海外などの外注先に全面委託するいう方式は,「詳細な仕様書」がないと成り立ちません。詳細な仕様書なしで,外注先にまる投げすれば,「なにをつくるのか正解を渡さないで開発をしろ」と行っているようなものです。出口のない開発を行うことに他なりません。
この状態で,生産性や品質を云々すること自体ナンセンスです。実際にこういったケースはよく見られます。
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